忍者ブログ

まったりまったんこ

アルファポリスでまったり小説掲載中です。 習作短編やSS、設定の裏話やボヤキなど。 ネタバレがある場合は件名に記載します。 ジャンル:人間模様>>恋愛、ファンタジー

【SS】安田夫妻のラブ甘

息抜きに書いてみました。えらい未来の話です。そして寸止め。
* * *

「ただいまぁ」
「おかえりなさい……」
 玄関に入るなり甘えた声で抱き着いてくる妻を受け止めて、俺は困惑した。
「どんだけ飲んだんですか」
「うーん」
 妻は首を傾げ傾げ、
「ワインが四本空いてたなぁ」
「……アーヤと二人で?」
「せや」
 こくり、と大きく頷く。
 アーヤも飲むとは聞いていたけど、女二人でワイン4本てどういうこと。
「お風呂、湧いてますよ。入ってきます?」
「んー」
 ヨーコさんは俺に抱き着いたまま離れない。
「……楽しかったんですね」
 俺は思わず嘆息しながら言った。
 こういう風になるのは、頻度としては年に1度もない。俺としてはこの可愛い姿を思い切り愛でたいところなのだが、今日は今にも眠ってしまいそうな雰囲気だ。
 やれやれと思いつつ、身動きしないその身体を包む。
 今日はアーヤとゆっくりデートするのだと楽しみにしていた。二番目の子どもが小学生になり、三番目の子も5歳になってだいぶ楽になったと喜んだアーヤが、まず声をかけたのがヨーコさんだった。
 きっと、真っ先に声をかけてくれたことも嬉しかったのだろう。
 別の部署になってしまったことを、仕方ないと思いつつ寂しがっているのは俺にも薄々分かっていた。
「ヨーコさん。着替えて寝ます? 手伝いましょうか」
「んー。お風呂入るぅ」
 言いながらも動かない。俺は苦笑してしゃがみこみ、靴を脱がせて膝裏に手を差し込んだ。
 引き上げると、彼女の身体の重みが俺の腕にかかる。
「ふふ」
 ヨーコさんは急にご機嫌さを増して、俺の首に抱き着いてきた。
「前見えないんですけど」
 言いながら目を閉じ、彼女の抱擁を感じる。
 ヨーコさんはまた笑いながら、腕を少し緩めた。
「お水か何か、飲んでからがよさそうですね」
 ヨーコさんをソファに降ろし、コップに水を入れて持ってくると、ソファにしな垂れかかったヨーコさんは、ほとんど眠っていた。
「ヨーコさん?」
「んー」
「もう……」
 苦笑しながら水を口に含み、彼女の唇へ自分のそれを押し当てる。
 酒にほてった彼女の身体は、どこも熱い。
 唇を割り、ゆっくりと温くなった水をその口に流し込む。
 ヨーコさんはそれをこくりと飲んで、うっすらと目を開け微笑んだ。
「もっと」
 かすれた声がねだる。
 この意味するところが水じゃなかったら、今下腹部に充電されつつある熱を、彼女に押し付けるところなのだが。
「自分で飲んでくださいよ」
「ぃややぁ」
 駄々っ子のように首を振る。
 くそ可愛い。
 俺の天使。
 普段とのギャップにぐらんぐらんと脳内が揺れる。だがしかし、これに負けてはいけない。
「じゃあもう一回だけね」
「うん」
 嬉しそうに頷いて、唇を突き出し、俺の唇を待つ。
 俺は嘆息して(ただのポーズだけどね)また水を口に含むと、その唇に流し込んだ。
 ヨーコさんの鼻から息が漏れる。
 それを聞いて、つい、舌先が動いた。
 ヨーコさんがごくりと水を嚥下する。
 その音に興奮して、ヨーコさんの頭に手を添えた。
 しばらく深いキスを繰り返していると、段々とヨーコさんの力が抜けていく。
 まあ、ただでさえふにゃふにゃだったんだけど。
 俺は微笑みながら、顔を離してーー
 妻が眠っていることに気づき、うなだれた。
 ……ああ、そう。
 そうだよね。眠そうだったもんね。
 さすがに俺ももう30代も後半だ。大人の良識、いやヨーコさんを犯さない良識は身につけた。だがしかし、今下腹部で猛る自身を……どうしたものか。
 もう1度深々とため息をついて、愛妻の頬にキスを落とす。
 ヨーコさんの寝顔は幸せそうに見えた。
 俺は微笑み、その身体を抱き上げる。
 ソファで眠ると朝身体が痛い、といつだか言っていたからだ。
 仕方ない。今日は自分で処理しよう。
 それが落ち着くまで放置するという選択は俺にはない。ベッドに彼女の身体を横たえると、気合いを入れて風呂場へ向かった。

 * * *
ヨーコが甘えるのは基本的に酔ったときだけです。(しかしその破壊力たるや)
とはいえ酔わせようと思って酔うほどチョロくないので、狙ってどうこうできません。挑戦したジョーは数度飲みつぶされていると思われ。

拍手

PR

コメント