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まったりまったんこ

アルファポリスでまったり小説掲載中です。 習作短編やSS、設定の裏話やボヤキなど。 ネタバレがある場合は件名に記載します。 ジャンル:人間模様>>恋愛、ファンタジー

【激甘SS】政人×彩乃(新婚の頃)

いきなり降ってきたので書いてみたけど砂吐きそうな小話です。

***

「おかえり」
「ただいまー」
「連絡くれたら駅まで迎えに行ったのに」
「うん、でもいつもより早かったし」
 彩乃を玄関先で出迎えると、まだ仕事モードの顔をしたままにこりと笑顔を返してきた。
 鞄を持ってやると、ありがとう、とパンプスを揃えて部屋に上がる。
 俺がきびすを返しかけたとき、軽い音を立てて彩乃が抱き着いてきた。
 片手に彩乃の鞄を持ったまま、苦笑を浮かべて頭を撫でてやる。
「……お疲れ」
「疲れたぁ」
 彩乃は俺の胸に頬を押し付け、背中に回した手に力をこめた。
 髪から下げた手を彩乃の背中に添える。
 しばらくそのままじっとした後、ぽんぽんと背中をたたいた。
「ほれ。飯まだだろ。それとも先風呂入るか?」
「その前に政人ー」
「なんだそれ」
 へばりついたまま離れない妻の頭を小突いた。彩乃がいて、と笑って顔をあげる。
 じっと俺の目を見つめ、
「ん」
 目を閉じて唇を少し尖らせた。
 黙って唇を重ねてやる。
 ゆっくり3秒数えて離れると、もの欲しげな彩乃の目があった。
「……もっと」
「ったく……」
 仕事中の姿など忘れてしまいそうなこの甘えモード。本当に同一人物かと疑いたくなる。
 俺は呆れつつ、先ほどよりも短めにキスをした。
「これ以上するなら、そのままベッドに連れてくぞ」
 恨めしげな目をした彩乃ににやりと笑うと、彩乃はぱっと頬を赤くした。
 
 食事と入浴を済ませ、パジャマのままソファでテレビをぼんやり眺める彩乃にハーブティーをいれてやった。
 不眠症というわけでもないのに、よく眠れるとうたうハーブティーが最近のお気に入りらしい。「疲れが取れる気がする」と言うが、多分に気分的な問題のようにも思う。
 俺も彩乃の隣に腰掛けると、ソファが沈んだ。
 それに合わせるように、彩乃が俺の肩に頭を乗せる。
 二人で黙ってお茶を飲みつつ、テレビに目を向けていた。
「映画?」
「うん、3年前くらいのみたい」
「ふぅん」
 ぽつりぽつりと、そんな会話を交わす。
 彩乃は俺の肩によりかかったまま、温かいお茶を口に運んだ。「こぼすなよ」と言うと素直に頷き返したが、こぼさず飲んでいる。変なところで器用な奴だ。
「……先週、大学の友達に会ったでしょ」
「ああ、飲み会ね」
「うん」
 彩乃はカップに添えた両手を膝と膝の間におさめた。
「その中の一人の子がね、新婚のとき言ってたの。ベッドはシングル二つがいいよって。ダブルにすると大変よって」
 俺はコップを口に運ぶ手を止めた。
 首を傾げる。
「……うち、ダブルだけど」
「うん」
「お前が選んだよな?」
「……うん」
 彩乃はだんだんとうつむいていきつつ、じわじわと俺から頭を離した。
 俺は気を改めてコップに口をつける。
「……それで?」
 彩乃が急に顔を上げた。
 その顔は真っ赤になっている。
「だ、ダブルだと、旦那さんがその、求めてきて大変だって言ってたから、政人もそんな風になるかなって、だったら見てみたいなって、思ったのに全然なんないんだもん!」
 言っていることは恥ずかしいらしいが、ずっと気にしていたのだろう。
 俺はあきれて彩乃の顔を見返した。
 思わず止めていた息を、ゆっくりと吐き出す。
 またコップに口をつけた。
「……その友達、結婚したとき旦那さん何歳?」
「……29かな……」
「ふぅん」
 沈黙。
 俺は黙って、コップのお茶をすする。
 耐えかねた彩乃が、手にしていたコップを机に置いて俺に向き直った。
「ね、年齢とか、関係なくない?」
「なくもないだろ。あとどれくらい遊んでたかとか」
「あ、あんた遊び人だって認めるわけ?」
「まー、まったく遊んでないとは言えないな」
 何にたいしてか、必死になっている彩乃を横目に、俺はお茶をすする。
 リラックス効果も彩乃の緊張感が横にあってはだいなしだ。
 彩乃が悔しそうに唇を引き結んだ。
 膝の上の手をきゅっとにぎりしめる。
 俺はため息をついた。
「だいたい、疲れてる日とか、その気がないときとかに求められてもうれしくないだろ」
 俺とて、彩乃の様子を見て動いているだけだ。こちらの気持ちを押し付けて無理をさせる気はない。
「う、うれしくないかもしれないけど、だって、政人ってば全然その、がっつかないっていうか」
 がっついて欲しいのかよ。
 喉元まで出かかった言葉をかろうじて飲み込む。
「……あ、そう」
 コップに残ったお茶を飲み干し、机の上にトンと置く。
 彩乃に向き合うように、ソファに肩膝を乗せて座り直した。
 片手をソファの背に置き、彩乃の頬に片手を添える。
 そのまま、唇を重ねた。
 一気に深く。
「んっ……ぅん……」
 しばらくその柔らかさを堪能した後、唇を離す。
「……じゃあ、今からここでする?」
 至近距離で囁いてやると、彩乃は目を見開いた。
 うろたえて視線がさまよう。
 そして真っ赤なまま、斜め下に視線を落とした。
「……べ、ベッドがいいです……」
 俺はくすりと笑って彩乃の額に口づけ、小柄な身体を抱き上げた。

 * * *

お粗末さまでした…(なんだか動悸息切れが……)

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