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まったりまったんこ

アルファポリスでまったり小説掲載中です。 習作短編やSS、設定の裏話やボヤキなど。 ネタバレがある場合は件名に記載します。 ジャンル:人間模様>>恋愛、ファンタジー

昨夜の夢

「この前の立て篭もり事件の人質、A社の令嬢だったそうだね」
 警察という男社会の職場にあって、女だてらにエリートコースを突き進む上司の言葉に目を上げると、上司はいつも通りけだるそうに頬杖をついたまま書類を見ていた。
 長い睫毛が白い頬に作る影についつい見惚れていたら、後ろから同僚である一人の男が楽しそうな声を上げる。
「お礼に令嬢とお食事会でもどうだ、って言ってたぜ」
 行ってこいよと肩を叩かれにらみ返すと、同僚はからりと笑った。
「遠慮しておく」
「行ってくればいいだろう。なかなか美人だそうだよ」
 書類に判を押しながら女上司は言った。眉を寄せたまま黙ってその顔を見ていると、不意に目が合う。
「君が決まれば後一人どうにかすれば済む」
「それ、俺のことっすか」
 同僚は笑って上司のデスクの隣に立つ。
「俺は誰が何と言おうとあきらめませんから」
「そういうしょうもない話をする前に誤字をなくす努力をしなさい」
 上司は判を押した書類をぽんと同僚に突き返した。同僚は小さい声でげっ、とつぶやく。
 とはいえいちいち誤字ごときで作り直しを言い渡すようなくだらない人ではない。だからこそ尊敬もし慕ってもいる。
「そんな誘い、乗るわけないじゃないですか」
 言い終わったとき、その更に上の立場に席を持つ男がおもむろに部屋に入ってきた。
 上司は静かに立ち上がる。
「お疲れさまです」
「ご苦労さま。変わりはないか?」
 上司より片手分年上のその男は、落ち着いた振る舞いで歩み寄る。
「ありません。何かわざわざご足労いただくようなご用件が?」
 上司はあくまで事務的に答えるが、相手は静かに微笑んだ。絵になる二人の姿を見ながら、同僚と視線で会話する。共通の敵の前ではいさかっている場合ではない。その人が一番強力なライバルだということは、男の勘で察している。
「つれないな。たまには顔を見に来るくらいいいだろう」
「またまたご冗談を」
「まあ、そういうところが君らしいが」
 二人の会話にどう割って入るか、無言のままに同僚と目線を交わす。
 そのとき、デスクの電話が鳴った。

* * *

……みたいな夢を見たので、誰か続きを書いてくれないかなーと思いつつ投下してみる。
名前を書かずにどう表現できるかに一番頭を捻りました。

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